- 基礎編
- 株価を動かす様々な理由について知ろう
2014年8月21日
需給を決める要素(10)王道!各社の業績から将来価値を予測
- ページのまとめ
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- 企業の将来価値は予想収益で測るのが基本
- 期待が変化するタイミングで売買することが重要
- 同業他社と比較して相対的に上位の銘柄を選ぶのが基本
個別銘柄の需給を決めるもっとも重要な要素
どのような材料を重視して投資するのか、その方法はいろいろあります。しかし、個別銘柄について、もっともオーソドックスで王道とも言えるのが、企業の将来価値を考えて投資する、という考え方です。
実際の投資家でも、この方法によって投資をしている人は多くいます。そのため、将来価値の変化は、株価に大きな影響を与える材料となるのです。
そして、企業の将来価値とは、ずばり「予想収益」のことです。この点については実践編でくわしく説明しますが、企業の予想収益を株価で割った「予想株価収益率」(PER)が、もっとも一般的に利用されている株価の指標です。
期待が変化するタイミングをつかむ
もちろん、すでに説明したように現在の株価には将来の期待(予想)も織り込み済みですので、その期待が変化するタイミングが、一番大切です。
そのため、自分が注目している企業については、業績予想の発表などを常に注意しておき、期待を変化させるニュースがでたら、すかさず売買することが大切です。
また、同じような考え方に基づくやり方で、『会社四季報』を使うやり方もあります。会社四季報には、会社が公表したデータと、記者が取材に基づいて独自に考えた予想をあわせて、予想収益が掲載されています。そこで、『会社四季報』を毎号時系列で追って読み、その予想数値が変化した企業をピックアップして投資するのです。
この方法の良いところは、記者の独自の予想が入っているため、会社の予想修正よりも早く修正の可能性がわかることです。
関連リンク:投資家インタビュー 立川 一さんは『会社四季報』を熟読する投資スタイルです。ぜひご参考ください。
相対的に高い企業を選ぶ
もう一点、企業の将来価値について気を付ける点は、つねに相対比較をして、相対上位の材料を持つ銘柄を選ばなければならない、という点です。
なぜなら、株式市場全体で見て、投資される資金は有限です。有限の資金を、多くの「良い」会社のすべてに振り向けることはできないので、「より良い」会社から順に投資されることになります。ABCと3つの会社があり、それぞれ増収率が、20%、15%、10%だとします。すると、他の条件に大きな差がなければ、A社の株に需要が集まる、ということです。
たまたま自分がC社だけをチェックしていると、つい10%の増収なら絶対に上がるはずだ、と思ってしまいます。限られた資金の中から、相対的に高いところに需要は集まるということを忘れないようにしましょう。
具体的には、銘柄に関する指標を見る際は、同業他社、あるいは同業平均と必ず比べる、ということです。