- 基礎編
- 株価を動かす様々な理由について知ろう
2014年8月21日
需給を決める要素(12)オリンピックなど話題の材料
- ページのまとめ
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- テーマとは株式市場で大きく話題になっている材料のこと
- オリンピックがテーマなら再開発に絡む不動産業種など、連想で株が買われる
- テーマはあくまでも銘柄を絞るための手段の一つ、それだけで決めない
材料とテーマのちがい
材料と少し似た言葉ですが、株式市場では「テーマ」ということがが、よく言われます。これは、簡単に言えば、その時々で株式市場で話題になっている、流行している材料、というような意味です。
たとえば、オリンピックが東京で開催されるとなれば、まず思いつくのが東京の街区の再開発であり、そのため建設、不動産といった銘柄に注目が集まります。この場合、東京オリンピックというのが「テーマ」です。
上のオリンピックの例であれば、建設、不動産のほかに、外国人観光客が増えるだろうから、ホテル関連がいい、とか、首都圏の鉄道もいいだろう、あるいは、スポーツ用品メーカー、メディア関連などの関連業種が思いつきます。
また、カジノ解禁がいよいよ実現しそうだということになれば、カジノ解禁をテーマとして、遊戯機器(パチンコ、パチスロなど)メーカーや、両替機メーカー、あるいはセキュリティサービス企業に注目が集まったりします。
企業の外にある要因から銘柄を探すのがテーマ
このように、テーマというのも、株価材料の一種ですが、これは企業の外部に社会的な要因がまずあって、そこに当てはまる銘柄や業種はなにか、という順で考えらえることが特徴です。
そこで、ある意味では「なんでもテーマと言えばテーマになる」ともいえます。市場参加者が納得できるような、理屈があればいいのです。したがって、業績がアップしたとか、ヒット商品が出た、というような企業の内部から出てくる話題は、テーマとはいわないのです。
一方で、たとえば、セブンイレブンでセブカフェが大ヒットした、とか、ユニクロが商品を値上げした、ということは、もちろん株価を動かす要因=「材料」ですが、このようにその企業の内部から発生しているものは、通常テーマとはいいません。
テーマを探すには
このようにテーマ株は、そのテーマから恩恵を受けて儲かる会社はどこかということを、連想ゲームのように探すことです。しかし、これを一から自分で探すことは、大変です。
株の専門誌などを見れば、その時々のテーマに沿った推奨銘柄が掲載されているので、そういったものを参考にするのも一法です。しかし、雑誌の載った時点で、すでに過去の情報として、株価に織り込まれているというのも、よくあることなので、その点は注意しなければなりません。
また、雑誌や新聞の特徴として「つねになにか記事を載せていなければならない」ということがあります。「今回はとくに目立ったテーマはないので、推奨銘柄はありません」とは、書けないのです。そこで、なかば無理矢理というか、こじつけてきに「○○関連」といったテーマを載せていることもあります。
そこで、テーマをヒントにするのは構わないのですが、それだけで売買を決定するのは、やや危険だと覚えておきましょう。銘柄を「絞り込む」ためのひとつの手段であり、最終的に決定するのは、あくまで業績分析などの手法によるべきです。