- 基礎編
- はじめに準備しておくこと
2014年9月4日
投資成果の数値目標を考えておこう
- ページのまとめ
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- 目標は長期と中期(1年)で立てる
- 目標数値は、投資の中身を検証するための目安にする
- 非現実的な目標や、短期すぎる目標を立てることはかえって有害である
数値目標は、長期と中期で立てる
あなたは株式投資でどれくらい儲けたいでしょうか?投資をはじめる際に、数値の目標を立ててみましょう。もちろん、投資家の年齢やライフステージによって投資の期間などは異なりますので、一概に「何年」とは言えません。あくまで自分なりの目標ということになります。
数値目標は、次のように「長期」と「中期」に分けて考えるといいでしょう。
- <株式投資の数値目標>
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- 長期:数年単位(5年~20年くらい)
- 中期:1年(会社の決算などと同じで、1年を基準にするのがわかりやすい)
長期の目標を立てたとしても、それは「株を買ったまま持っている」という意味ではありません。1年の中でも売買を繰り返し、1年ごとの目標を達成しながら、長期の目標に近づいていくイメージです。
目標数値の設定例
ここでは、わかりやすくするため、きりのいい数字での目標数値の設定例を示します。
一般的には、短期になるほど確実な成果を出すことは難しくなりますので、5年以上で設定するのがよいでしょう。
例1:20年を目標に資金を10倍にしたい
→ ある程度年齢の若い方(20代~30代)におすすめします。20年の期間で考えれば、途中で失敗があっても、リカバリーする時間がありますので、安全性は高まります。目標利回りは、年平均約12%となります。株式投資を中心に資産運用し、やや高いリスクがとれれば、達成可能な数字です。
例2:10年を目標に資金を2倍にしたい
→ 目標利回りは、年平均約7.2%です。株式投資中心の運用で、十分に達成可能な数字です。このくらいの目標であれば、高配当(5%以上)の銘柄を混ぜて、配当利回りと、キャピタルゲインの両方を目指す方法で、より低リスクでの達成も可能です。
例3:5年を目標に資金を2倍にしたい
→ 株式投資のように値動きの激しいハイリスク商品への投資では、5年というのは、かなり短い期間です。5年で資金を2倍にするためには、年平均約15%の利回りが必要になります。初心者がいきなり目指すのは難しいレベルなので、ある程度投資になれた人の目標レベルとなるでしょう。
目標を設定して、結果を見直して検証する
もちろん、上記のような目標を設定したとしても、毎年測ったようにその利益を出していける、というわけではありません。しかし、このような数値目標を設定しておくことで、目標が達成できなければ、「なにが悪かったのか」「どこで失敗したのか」などを検討して、今後の売買に活かすことができます。
また、「今年は目標が余裕で達成できそう」というときなら、よりローリスク・ローリターンの対象に資金をシフトしておき安全策をとったり、ポジションをゼロにして投資を休んだり、といったこともできます。
無理な目標を設定したり・短期間での結果を求めたりしない
あまりにも短期で結果を出そうとすることは、失敗につながります。たとえば、「1年で資金を5倍、10倍」にする、とか「3か月で2倍にしよう」といった目標です。株式投資はあくまでも経済的な合理性のなかで行われる投資です。このような短期間での過大な目標は、あきらかに経済的な合理性の範囲から超えている、いわば「ギャンブル」のようなものです。
実は、株式市場では、「短期間でゼロになるか、2倍になるか」といった、ギャンブルのようなやり方もできます。
少しの金額で、パチンコや競馬を楽しむような感覚で、ギャンブル的に株を買うのも、それを趣味だと割り切って考えるならば、別に悪いことではないでしょう。しかしそのようなやり方については、本サイトでは解説しません。
相場は自分の都合で動かせないので、ノルマにはこだわりすぎないことが大切
このように、長期、中期の数値目標を設定することは、有益です。しかし、ここで注意しなければならない点があります。それは、その期間や金額などを、「絶対に達成しなければならないノルマ」のようなものとして考えてはいけない、ということです。
なぜかというと、「いついつまでに」とか、「いくらにする」といった数字は、あくまで「自分の都合」です。しかし、相場は、個々人の都合とはまったく関係なく動いています。個々人の投資家にできるのは、相場の大きな波についていくことだけです。
自分の都合で相場を動かすことはできず、相場の都合に合わせて自分が動くのです。それはちょうど、サーフィンのようなものです。大きな波がくれば、それに乗るって大きく儲けることもできます。しかし、まったく波の来ない日が長期間続くことあります。自分の都合で、波を起こすことはできません。
「相場の値動きと、自分の都合は、まったく関係ない」というのは、非常に大切なポイントで、この後も出てきますので、よく覚えておいてください。
ちなみに、個人投資家が、プロの機関投資家に比べて有利な点の1つして、「売買に向かない相場状況のときには無理に売買しなくてよい」ということがあげられます。相場の波が来ない時は、半年でも1年でも待っていればいいのです。プロは「売買することが仕事」なので、ただ待っているといことはできません。この、個人投資家ならではのメリットを活用しない手はありません。
株式投資に使う資金は「使う予定のないお金」で
よく「投資は余裕資金で」といわれるのを聞いたことがあるかもしれません。これは、上の「相場は自分の都合と関係なく動く」ということから来ているものです。
5年後に2倍にしようと思って、4年後にまでに1.8倍まで増やせたとしても、次の年に株価の大暴落があるかもしれません。もちろん、過去の暴落の事例をみればわかるように、暴落があっても、いずれは回復をします。しかし、その回復は、2年後か3年後かなのかは、わかりません。
そうなったら、そこでいったんリセットして、目標を立て直せばいいのです。株式投資のように、リスクのある投資の目標は、積立貯金のように、「いついつまでにいくら貯める」という計画を確実に作れるものではありません。
つまり、期限が決められたお金を作るためには、株式投資のような値動きの激しい投資は向いておらず、そういった目的のためには、元本が保証された商品で投資をすべきだということです。
言い方を変えると、あなたが株式投資に使っていいお金は「いつまでも使わなくてもいいお金」だけなのです。そのような性格の資金を用意して、株式投資をスタートしましょう。