- 基礎編
- はじめに準備しておくこと
2014年9月4日
投資資料の準備(3)投資ノートの作り方
- ページのまとめ
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- 投資ノートには毎日の値動きを記録し、値動きの感覚を身に付ける
- 値動きとニュースをあわせて記録することで、材料が株価に与える影響がわかる
- 株を買う理由を記録しておくことで、売り時がわかるようになる
どんなノートがいいか
ノートは、小さいサイズのものは使いにくいので、A4判か、最低でもB5判のものを使います。ページ数は少なすぎると何冊も使わなければならないので、80枚とか100枚つづりのものがよいでしょう。ノートの代わりにルーズリーフでも構いません。
投資ノートに記録する項目
投資ノートに記録する項目は、以下のようなことです。
- <ノートの左ページ>
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- 毎日の株価の動き(終値と前日比)
- 売買をした場合、その株価と株数
- <ノートの右ページ>
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- 注目銘柄に関連するニュース(見出し)
- 市場全体や経済全体に関連するニュース(見出し)
- 自分の気持ち
- 売買をした場合、その理由
- 投資ノート 記入例 *解説付き拡大スクリーンショットはこちら
上の図は、ノートの見開きのイメージで、2銘柄を記録している例です。
テクニカル分析のように、株価自体を細かく分析することが目的ではないので、あまり細かい株価の記録は必要ありません。終値と前日比だけを記録すれば十分です。
慣れてきたら、始値と終値、あるいは四本値を記録してもいいですが、最初は終値だけにしておきましょう。
「最初は単純なことからスタートして、慣れてきたら複雑に」することは、常に共通する基本的な考え方です。
- <書き方のポイント>
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- 最初は1銘柄だけを記録しましょう
- 慣れてきたら、1冊に3~4銘柄を記録してもかまいません
- 「市場全体の波に乗る」やり方をしたい人は、日経平均株価かTOPIXのどちらかの終値を記録しましょう
- ニュースは見出しか、概要のみを書き、記事そのものはスクラップしておきます
- 1見開きで1か月、などと区切る必要はありません。ニュースの量が多い時などは、ページを増やしてもかまいません
- 投資ノートの最初のページに、「投資の目標を考えておこう」や「投資の期間を考えておこう」で書いた、投資の目標について書いておくとよいでしょう
株価を記録する理由(1)値動きを実感する
株価は、ネット証券のデータなどを見れば、過去にさかのぼって調べることは簡単です。ここで株価を記録する目的は、「値動きを実感すること」にあります。値動きのくせをつかむ、と言ってもよいでしょう。
とくに、新聞などに掲載される毎日の株価材料とあわせて値動きを記録することで、こういう材料がでたときはこういう風に株価は動くのか、ということが実感できるようになります。業績の発表や、不祥事などのニュースがどのように株価にインパクトを与えたのかが、わかります。
また、過去の業績修正に関する会社発表や、材料に対する株価の動きは、将来同じような事態が起こりそうなときに、株価がどう動くのかを予想するための資料ともなります。
つまり、投資ノートは投資の記録であると同時に、新しい投資をするための資料としても使える、非常に有効性の高いツールになります。
株価を記録する理由(2) 自分の投資を客観的に見る
株価の動きや、材料の記録とあわせて、その時の自分の心理状態も記録しておくことは非常に有益です。たとえば、株価が急上昇すると追いかけて買いたくなる、とか、あるいは逆に急落した時は、リバウンド(反転)を狙って買いたくなるといった、自分の気持ちを客観的に見ることができます。
こういった気持ちは、時間が経つと簡単に忘れてしまいますので記録をしておく必要があります。
後から客観的に見てみると「なんであの時はこんなことを思ったのだろう?」と自分でも不思議な感じがします。そういう反省を重ねながら投資は上達していくのです。
株価を記録する理由(3)買った理由、売った理由を明確にする
もちろん、実際の売買を行ったときには、売買の記録もつけます。売買をする際には、なぜ買ったのか、なぜ売ったのかとい理由を、明確に記録しておくことが、非常に大切です。これを記録しておけば、その理由の考え方が正しかったのかどうかを、後から検証することが可能になります。
さらにこれは特に大切なことですが、買った理由がなくなったら、株は売るべきです。そのためには、買った理由を明確にしておかなければなりません。
できれば、実際の投資を始める前に、3か月から半年くらい、この投資ノートをつけてみましょう。そうして、値動きを感じる練習をしておきます。
なお、実際に売買をしない場合でも、いわゆる仮想売買(シミュレーション)をする必要はありません。仮装売買は、実際に自分のお金を使っていないので、現実感や切迫感がなく、ほとんど役に立ちません。