- 基礎編
- はじめに準備しておくこと
2014年9月4日
投資資料の準備(1)『日本経済新聞』と『会社四季報』
- ページのまとめ
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- 投資の資料として『日本経済新聞』と『会社四季報』を用意する
- 『日経新聞』注目銘柄に関する記事を読み、スクラップを作る
- 『会社四季報』の毎号全ページを読むことは、有力な投資研究法になる
基本的な投資資料の種類
実際に投資を始める前に、株式投資に必要な資料を準備しましょう。基本的な資料は以下のようなものになります。
- <株式投資に必要な資料>
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- 『日本経済新聞』、『会社四季報』
- 投資ノート
- ポジション一覧表、損益管理シート
- 各種ファイル(記事のコピーなどを綴じられるもの)
なお、ここでは、「紙の新聞」「紙のファイル」を前提に説明をしていきますが、電子データの新聞やスキャンしたPDFファイルでの保存でもかまいません。考え方の基本は同じですので、自分の好みに合ったやりかたをしてください。
『日経新聞』を用意する
株式投資をするには、世界経済、日本経済の動き、また、各企業の動きをリアルタイムで知らなければなりません。それを伝えてくれるもっともまとまった資料が、『日本経済新聞』(日経新聞)です。株式投資をするのであれば、日経新聞の購読は必須だと思ってください。
「日経新聞」には、普通の新聞に出ているようなニュースの他に、「企業情報」「投資情報」「マーケット情報」など、株式投資に直結した記事がたくさん掲載されています。
ただし、それらを隅から隅まで読む必要はありません。慣れてくると読むスピードも速くなりますが、最初のうちは時間もかかります。そこで、最初は、最低でも2つのポイントに絞って読みましょう。
- <日経新聞を読む時に、最低この2つのポイントは絞って読む>
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- 自分が注目している銘柄、保有している銘柄、またその業界に関連する見出しの記事だけを拾い読みする。たとえば、セブン&アイとローソンに関心があるのなら、その関連記事、またコンビニ業界に関する記事だけを拾い読みします
- 「マーケット総合面」(通常16~17面)の、解説記事のみ読む。とくに17面最初の記事では、いまの株式市場で話題になっているテーマや、売買のトレンドが書かれているので、参考になります。この部分だけでも毎日読み続ければ(5分もあれば読めます)、市場がどんなテーマやトレンドで動くのか、わかるようになってきます
なお、日経新聞には紙の新聞と電子(ネット)版とがあります。まずは、基本である紙の新聞の購読をおすすめします。その主な理由は、コピーを取って保存、閲覧がしやすいことがひとつ。また、アナログ的な誌面の良いところとして、「見出しや記事の大きさで、記事の重要度がわかる」「直接関係ない記事も見出しが目に入るので、知識が広げやすい」、ということもあります。
その他、紙と電子版とにはそれぞれ、下表のような特徴があります。
紙の新聞 | 電子版 | |
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保存後の 閲覧のしやすさ |
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一般的には紙の新聞の方が保存後時系列にパラパラとめくって閲覧がしやすい | ||
情報を 幅広く拾う |
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自然と他の見出しが目に入り、思わぬ情報を得ることがある。 自分が興味を持っていなかった情報も含めて、いろいろな情報を幅広く拾う、 という意味では、紙の方が優れている |
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携帯性 | ||
電子版であれば、スマホやタブレットでいつでもどこでも記事を読める | ||
検索のしやすさ | ||
過去の検索をしたり、特定のキーワードに関連する記事だけを 集めたりというような用途では、電子の方が優れている |
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価格 | 4,509円 | 4,200円 |
紙の新聞購読料プラス1,000円で計5,509円を払うと、 電子版もすべて読めるようになる |
また、日経新聞以外にもネット証券のニュースや、ヤフーファイナンスなどの株式情報ポータルサイトでニュースを集めることもできます。ただし、初心者のうちはあれもこれもと手を広げすぎると、負担が大きくなりすぎます。最初は「日経新聞だけ」と決めておき、慣れてきてから情報収集範囲を広げるのがいいでしょう。
『日経新聞』の使い方
『日経新聞』では、気になるニュースがあったら、その部分をコピーして、ファイルにスクラップしておきます。コピーは、日付が入るようにできればそうして、できなければ書いておきます。
スクラップは、範囲が広いと大変です。まずは、自分が関心のある企業や業界に絞って、その見出しを拾ってスクラップするだけでいいでしょう。上の「『日経新聞』を用意する」で書いた、読み方のポイントで読んだ記事のみでもいいでしょう。
そうして、慣れていったら、投資に関連ありそうなニュース全般に広げていけばいいでしょう。なお、最初にも述べましたが、スクラップも紙のコピーではなく、スキャンしてPDFでの保存、あるいは電子版の記事ファイルの保存でもかまいません。
スクラップファイルは、細かく分ける必要はありません。単に時系列で閉じていけばよいでしょう。そして、自分が現在投資している(しようとしている)銘柄に関連するニュースのコピーには、ポストイットを貼り、目立つようにしておくと良いでしょう。
コピーを取るときのコツですが、紙のサイズはA3サイズに統一するとよいでしょう。小さい「ベタ記事」のコピーであってもです。さまざまなサイズの紙が混ざると整理しにくいですし、A4やB4の用紙では1つの記事が入りきらないことがあるからです。
なお、『日経新聞』には、ニュースやニュース解説記事以外に、夕刊の「マネー&インベストメント」欄など、投資の基本知識を解説した連載記事などもたくさん掲載されています。そういった連載記事は、とくに初心者向けにやさしく解説されていますので、続けてスクラップしていくと投資知識が膨らみます。
『会社四季報』を用意する
上場企業の業績・財務などのデータをまとめたデータ集です。四季報という名前からもわかるように、3月、6月、9月、12月と、年に4回発行されます。『会社四季報』には、紙の本と、CD-ROM形式のもの、そして「四季報オンライン」というネットサービスがあります。それぞれの価格等は下表のとおりです。
書籍 | CD-ROM | ネットサービス | |
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価格 | 2,060円 | 7,180円 | 月額1,080円~7,020円 |
特長 |
- | - | 証券会社によっては、 『会社四季報』のデータを無料で提供している つねに最新の情報を入手できる 読み物記事も充実 |
発行時期 | 3月、6月、9月、12月と、年に4回発行 ネットサービスはつねに最新の情報を入手できる |
「日経新聞」と同じく、『会社四季報』も、流し読みがしやすい紙のものを、基本的に使います。その上で、余裕があれば有料のオンラインサービスを利用しましょう。有料オンラインサービスは、4プランに分かれており、提供されるサービスが異なりますが、『会社四季報』が発行された後で、四季報独自予想の修正などがあった場合に、フォロー記事が読めることはすべてのサービスに共通しています。
紙の本が年に4回だけの情報更新であるのに対して、つねに最新の情報を入手できることが、オンラインサービスの強みです。また、雑誌的な読み物記事も充実しています。
なお、証券会社によっては、『会社四季報』のデータを無料で提供している場合もあります。それが利用できるのであれば、オンライン版の「会社四季報」は不要です。
『会社四季報』の使い方
『会社四季報』の使い方のポイントをまとめると、次のようになります。
- <『会社四季報』の使い方ポイント>
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- 新しい号が出たらすぐに購入
- 自分の注目銘柄の予想業績がどのように変わっているのかを、チェック
- 予想業績は、編集部の予想と会社の予想と、両方が出ているので、その両方の変化をチェック
- 業績予想がよくなっていれば、その理由を確認したうえで、買いを検討
- 悪くなっていれば売りを検討
- 時間がある時に、最初から最後まで通読することで思わぬ銘柄との出会いがある可能性が
- 会社情報のページ以外に、「増益増収ランキング」「配当利回りランキング」「為替変動影響ランキング」など、さまざまなランキング表が掲載されているので、参考に
- 時間労力的に大変という場合は、それらの銘柄の会社情報をチェックしてみても良い
『会社四季報』を活用して、実際に成功を収めているのが、投資家インタビューに登場している立川さんです。立川さんは、紙の『会社四季報』で、全銘柄をチェックし、その中から有望銘柄を探し出す方法を推奨しています。大変な労力はかかりますが、このようなやり方で実際に成功している人がいるのですから、それを真似してみるのは良い方法でしょう。
会社四季報には、会社情報のページ以外に、「増益増収ランキング」「配当利回りランキング」「為替変動影響ランキング」など、さまざまなランキング表が掲載されています。
全部の銘柄をチェックするのは、時間的、労力的に大変だという方は、これらのランキング表に載っている銘柄だけでも、会社情報をチェックしてみるといいでしょう。