ページのまとめ
  • 投資ノートはもっとも重要な記録資料になる
  • ポジションを管理するためのポジション管理シートと、損益管理シートも必要
  • 記録を参照し、PDCAサイクルを行うことで、投資が上達していく

投資の記録に使う資料を準備する

投資記録に使うのは、投資ノートと、ポジション一覧表、損益管理シートです。

<投資の記録に使う資料一覧>
  記録方法・内容 役割
投資ノート 注目銘柄の毎日の株価、ニュースの見出し、その他、市場関連ニュースの見出しなど ・値動きの感覚をつかむこと
・売買の理由を明確にすること
ポジション
一覧表
現在保有している銘柄の株数、購入価格。一般的には、ネット証券の口座管理画面で代用する 保有ポジションの確認
損益管理シート すべてのポジションの購入価格、売却価格、数量の記録 損益の確認

記録資料(1)投資ノートは、最重要な投資記録

投資ノートには、2つの役割があります。1つは、投資のPDCAサイクルを行うための記録です。もう1つは、値動きの感覚を身に付け、売買の理由を明確にしておき、新しい投資ための、資料の役割です。

なお、ここでは紙のノートを前提としていますが、エクセルなどのパソコンソフトでも同じことができます。好みのやり方でよいですが、最初は紙のノートに手書きで記録することをおすすめします。手書きをすることで、さまざまなことが実感として身についてくる効果が大きいからです。

投資ノートの具体的な書き方については、「投資資料の準備(3)投資ノートの作り方」で説明します。

記録資料(2)ポジション一覧表は、ネット証券の機能などを利用する

ポジション一覧表は、文字通り、自分がいま持っているポジション(保有銘柄)をまとめて、現在の損益がわかるようにしたシートです。

これは、ネット証券を利用している場合は、「保有証券一覧」「銘柄管理」「残高管理」「ポートフォリオ」といった名前で、記録・管理する機能がありますので、それを使えばいいでしょう。自分で作る必要は、普通はありません。

楽天証券 ポートフォリオ

また、ネット証券に口座を開いていなくても、ヤフーファイナンスの「Quotes」機能のように、無料でサービスを提供しているサイトもあります。ヤフーファイナンスの「Quotes」機能は、無料で使える上に、使い勝手も良いのでおすすめです。ただし、利用にはMy Yahoo!の登録が必要です。
http://finance.yahoo.co.jp/

ヤフーファイナンスの「Quotes」機能は、自分で好きな銘柄を登録しておくと、表形式で最新の情報を表示してくれるサービスです。

たとえば、保有銘柄の購入株数と購入金額を入力しておけば、その時の最新の株価での評価損益を自動的に計算して表示してくれます。

また、PERやPBR、配当利回りといった投資指標をあわせて表示することも可能です。表示される項目も、自分の好みに取捨選択できます。

ヤフーファイナンスポートフォリオ画面

損益管理シートは自分で作成する

これは、ポジションについて、売買とその損益結果を記録したシートです。ネット証券でも、過去の損益をまとめて管理、閲覧できる機能はないようです。エクセルなどを使って自分で作ります。

エクセルシート損益管理シート

売買をするたびに、以下の情報を記録します。そして、売買を検討するときに、確認します。自分の資金、これまでの経緯を確認して、本当にその売買をしてもよいのかを、最終的に確認します。ポイントは「平均購入額、平均売却額」と、「損益」がすぐわかるようにすることです。

<損益管理シートに記録する項目>
  • 購入日
  • 購入株数
  • 購入株価
  • 購入額
  • 売却日
  • 売却株数
  • 売却株価
  • 売却額
  • 損益額
  • 損益率
  • 売買手数料
  • 税金

などを記録します。そして、この記録をもとに、1年間の損益率を計算します。

最初のうちは、1回に1銘柄を買って、それを売る、というもっともシンプルな売買だけをするでしょうから、それであれば、証券会社が発行してくれる取引報告書だけでことは足ります。しかし、後で述べる銘柄分散投資をしたり、分割売買したりする場合は、それではとても損益を管理できません。

損益管理シートは、かならず作ってください。

投資にPDCAサイクルを導入する

上記のような資料づくりは、多少面倒かもしれません。なぜこのようなものを作成する必要があるのでしょうか?

株式投資でしっかり利益を上げていくためには、仕事に取り組むように、投資に取り組むことが大切です。具体的には、目標・計画を立てて、それを実際に行ってみて記録することです。そしてその記録をもとに、上手くいったこと、失敗したことを確認し、なぜうまく行ったのか、なぜ失敗したのかを反省して、次の行動に活かします。

これは、いわゆるPDCAサイクル(plan-do-check-act cycle)という考え方です。聞いたことがある人がいるかもしれませんが、事業における生産管理の、基本的な方法です。

<PDCAサイクルの考え方>
  • PLAN:目標、計画を作成する
  • DO:計画に基づいて業務を実行する
  • CHECK:計画と実際の業務とを照らし合わせて確認する
  • ACT:上手くいかなかったところを改善する

この4つの局面を繰り返すことで、事業の質を高めていくという考え方です。

株式投資においても、この考え方を流用して、投資の質を高めていくようにしましょう。そのすべての基本になるのが投資記録です。記録がなければ、チェックすることもできず、PDCAサイクルを行うことができません。