ページのまとめ
  • 市場全体の大きな波は、ゆっくりとらえればいい
  • 一番安い時に買って、一番高い時に売ろうと欲張りすぎない
  • お試しでの投資なら、いつスタートしてもいい

売買はゆっくり、おおざっぱに

下は、「初心者へのおすすめ投資(1)株式市場全体の波に乗る」で載せたのと、同じチャートです。市場全体の動きは、数カ月から、数年単位で大きな波を描いています。

日経平均株価の長期の動き(2001年1月~2014年7月、月足)

この大きな波をとらえて投資するのが、初心者におすすめの簡単投資法だと説明しました。実際にそういう方法で投資する際に、注意すべきことが2つあります。

<株式市場全体の波に乗る投資方法での注意点>
  • 意識してゆっくり投資する。焦ってはだめ
  • よくばり過ぎない。天井(株価が一番高いところ)や大底(一番低いところ)は、狙わない

意識してゆっくり投資する

投資の格言に「大底の翌日に天井にはならない」というものがあります。それは上の図からも明らかですね。大きな上昇の波は、数カ月から数年続きます。したがって、この大きな波に乗ろうと考える場合、1か月や2か月出遅れても、まったく問題はありません。

むしろ、本当にそれが大きな上昇の波なのかどうかを、しっかりと確認して、核心が持てるようになってから買うべきです。ちょっと上がったから上昇派に入ったと思ってあわてて買うと、実はそれが短い上昇で、すぐに下がるということがよくあります。

上の図で言えば、2010年の9月くらいから6か月ほど、1500円程度、株価が上昇しています。このとき、たとえば2011年の1月くらいに「上がり始めた」と思って株を買っても、すぐにまた下落に転じてしまいます。

短い期間の波でも、上手な人であれば、上手くそれにのって稼ぐことはできますが、初心者にはそういう芸当はとても無理です。大きな波であることを確認してから買い始めるようにしましょう。

波の中でも、簡単なところを狙う

株価が少し上がってしまうと、心理的に買いにくくなります。たとえば、2012年なら10000円で買えたのに、2013年に、入ってからはもうその値段では買えません。2012年の10000円という値段を覚えていると、12000円などになると「高くて買えない」と思ってしまうのです。

日経平均株価の長期の動き(2001年1月~2014年7月、月足)

しかしその後の動きを見れば、12000円の水準で買っても、十分に利益を出すことができました。日経平均株価の波をとらえるといっても、大底(もっとも株価が安いところ)あたりで買って、天井(もっとも株価が高いところ)で売ろう、などと考えてはいけません。もちろん、最安値付近で買って最高値付近で売れば、利益は大きくなります。しかしそれを狙うことはとても難しいことです。

わざわざ難しいことを狙う必要はありません。ポイントの2、「おおざっぱにとらえる」ことが簡単で、しかも確実に儲けることを考えた方がよいのです。具体的には、波のだいたい真ん中あたりより、下で買って、波の真ん中より上で売れればいい、くらいの感じでOKです。

たとえば、直近の波でいうなら、2009年には8000円を下回っていますし、2011年と12年には、9000円を下回っている時があります。こういうタイミングで買えればもちろん最高なのですが、いざそういうときになるとなかなかそのタイミングで買うことはできません。おおざっぱに、1万円より下で買えればいい、くらいです。

日経平均株価の長期の動き(2001年1月~2014年7月、月足)

また、2012年12月からの上げでは、15000円を上回っていますが、13000円から上くらいで売れればOKくらいの感覚です。このように、おおざっぱにとらえることが簡単でいいのです。

高い時は、下がるのを待とう

日経平均株価の長期の動き(2001年1月~2014年7月、月足)

2014年7月現在は、このチャートで見ると、大きな波の最上部で、さらに上昇を目指しているような段階です。このようなタイミングで投資をすること(現物株を買うこと)は、非常に難しい投資となるので、初心者がこういったタイミングで、本格的に投資をするのは難しいかもしれません。

でも、株に興味をもった人は、すぐにでも体験を始めてみたいですよね。もちろん、こういった時期でも数か月の中期の波はあります。そこで、その中期の波を狙って、株式投資を体験してみるのはよいでしょう。

もちろん、「体験」ですから、大きな金額を投資はせず、少額で経験を積みながら大きな波が来た時にしっかりとその波に乗れるように、準備をしておくのです。