- 基礎編
- 株価を動かす様々な理由について知ろう
2014年8月21日
需給を決める要素(1)グローバルマネーの流れ1
- ページのまとめ
-
- グローバルマネーとは、国際的に投資活動をしている巨額の投資資金のこと
- グローバルマネーの基準となるのは米国ドル
- リーマン・ショックによって、グローバルマネーの影響がはっきりした
グローバル投資マネーとは
現在、株式市場全体に影響を与える要因として外せないのが、グローバルマネーの流れです。グローバルマネーとは、世界中のあちこちで、いろいろな対象に投資、運用をしている、巨額の投資資金です。
だれがそんな巨額の投資資金を運用しているのか、というと、たとえば、中東の石油王、あるいは日本やアメリカの年金資金、また国の政府そのものだったりです。
以前は、「国際的に資金を運用する」といっても、物理的に難しいものがありましたし、規制も多くありました。しかしコンピュータネットワークが発達した現在では、国外に出ることなく、世界中のどこにでも投資できます。
そこで、グローバルマネーは、国際的な金融情勢の動きに応じて、さまざまな国、地域の、さまざまな対象(債券、株式、商品、通貨、その他)に投資をして、利益を求めています。もちろん、日本の株式市場もその一つになっています。グローバルマネーが向かう先は、巨大な需要が生まれ、去るときにはそれが無くなるということです。
世界一の経済大国、米国の金融情勢の影響
さて、現在、世界の基軸通貨はドル(米国ドル)です。基軸通貨とは、さまざまな通貨間の価値の基準となる通貨であり、また、国際決済の際に使われる通貨であり、さらに、最終的に価値を失わない通貨のことです。
言い換えると、最終的にドルを持っていれば、資産の価値は失われないということです。(ただしドル自体には金利はつきません。そのため、実際には、世界でもっとも安全な金融商品は米国債になります)。
世界一の経済大国は米国であり、その通貨であるドルが基軸通貨になっているのですから、当然、国際的な金融情勢は、米国の金融政策や為替政策に大きな影響を受けます。グローバルマネーにも、もっとも影響を与えるのが、米国の金融情勢、金融政策です。
世界の金融界に危機をもたらした「リーマン・ショック」の影響
最近では、それを端的に示したのが、2008年9月15日に、米国で投資銀行のリーマン・ブラザーズが経営破たんした、いわゆる「リーマン・ショック」です。このときには、米国の銀行が経営破たんしただけであるにもかかわらず、世界の金融界に大きな動揺と危機をもたらしました。
日本の金融機関がサブプライムローンに投資していた金額は非常に少なく、直接的な損失はそれほど大きくなかったにもかかわらず、リーマンショックの前(9月12日)には12214円だった日経平均が、リーマン・ショック後に暴落し、10月28日の最安値では7000円割れの6994円と、わずか1か月半で40%以上も下落してしまったのです。
これは、危機をみたグローバルマネーが、一気にリスク投資をやめ、投資マネーが収縮してしまったからです。このことを、リスクオン・リスクオフというキーワードを使って、次の項目で説明します。