- 基礎編
- 始める前に株のソボクな疑問を解決!
2014年8月21日
単元株と単元未満株って?
- ページのまとめ
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- 株には100株または1000株でまとめ買いをしなければならない。これを単元と呼ぶ
- 東証の上場企業の単元株数は、近いうちにすべて100株に統一される
- まとめ買いの例外として、単元未満株取引という制度が使える証券会社もある
株はまとめ買いが基本
株には「単元株」というものが設定されています。単元株とは、株を売買するときにまとめる単位で、1株から1000株の間で、会社が自由に設定することができます。2株以上の単元株が設定されている株は、原則としてその単位での「まとめ買い」「まとめ売り」しかできません。スーパーで、袋に入れられて3個198円で売っている玉ねぎは、まとめて買うことしかできず、ばら売りしてくれないのと同じようなものです。
単元株の制度は、1982年に導入されたもので、それ以前は「単位株」という似た名前の制度がありました。今の単元株は、企業が1~1000株で自由に設定できるのに対して、単位株時代には、多くの企業の株が1000株単位で、100株単位以下の銘柄は少数派でした。
しかし1000株単位だと株価1000円の株を買うのに、100万円が必要です。これでは売買代金が高すぎて、個人投資家が手軽に株を買えません。そこで、単元株制度になってからは、単元株数を100株や10株、ひいては1株に引き下げる企業が増え、個人が少額投資をするのに、大変よい環境が整ったのです。
ゆくゆくはすべて100株単元になる予定
少額で投資できる銘柄が増えたことは歓迎すべきことですが、その一方、単元株数がばらばらなのは、投資家にとってわかりにくいことは間違いありません。そこで、東証とその他の取引所では、いずれすべての上場企業の単元株数を100株に統一する計画を実施しています。
第一段階として、2014年4月までに、ほぼすべての上場銘柄が100株、または1000株単元になりました。そして、現在1000単元の銘柄についても、近い将来(明記されていませんが、おそらく数年以内)にすべて100株に変更される予定です。
当面の間、単元数は常に最新の数字を確認するように、十分な注意が必要になりそうです。
少額取引の主流 1株単位の自由な株数で取引できる単元未満株取引
単元未満株取引とは、ネット証券各社が独自に設定している仕組みです。たとえば、SBI証券であれば、「S株」、カブドットコム証券であれば「プチ株」、マネックス証券であれば、「ワン株」など、各社独自のサービス名で提供されています。
これらの単元未満株取引では、単元株数がいくらであれ、1株単位から任意の株数での取引できます。単元未満株を取引する仕組みとしては、次のミニ株の方が歴史は古いのですが、近年ではミニ株に代わって、こちらが少額取引の主流になっています。
近年は人気が低迷している、単元株の10分の1で取引可能なミニ株
単元株での取引が原則ではありますが、単元株数以下の単位で取引できる制度が、いくつかあります。まず1995年、当時の大蔵省によって設けられたのが「株式ミニ投資」制度、通称「ミニ株」です。単元株数がいくらであれ、1株単位から任意の株数での取引できる単元未満株取引に対して、ミニ株は、単元株の10分の1単位(1000株単元なら100株単位)で、株を売買できる制度です。ミニ株は証券業界共通の制度なので、どの会社でも「株式ミニ投資」「ミニ株」という名称でのサービスを行っています。
ミニ株の注文が入ると、証券会社は、普通に株式市場でその株を購入し、投資家にばら売りしてくれるのです。そのような仕組みであることもあり、手数料がやや高めになっています。また、ネット証券が登場する前の古い制度であることもあり、やや使い勝手が悪い面があり、近年は比較的人気が低迷しています。
単元未満株取引の使い方
ミニ株にしろ、単元未満株取引にしろ、通常の単元株取引よりは、手数料が割高になる、売買機会が限られるといったデメリットもあります。単元株数が少ない銘柄が増えた現在では、こういったサービスの上手な利用方法としては、どうしても欲しい株があるのだけど、高くて手が出ないといった場合に限定して使うのが、上手な利用方法でしょう。
通常のキャピタルゲインを狙った投資をするのであれば、ミニ株や単元未満株取引を積極的に利用するよりは、株価が低く、かつ単元株数が1株や10株などの銘柄を買う方が、おすすめできます。
単元未満株取引 | 株式ミニ投資 | |
---|---|---|
売買単位 | 単元未満での任意の数 |
単元株の10分の1単位 |
注文方法 | 成り行き注文のみ |
成り行き注文のみ |
約定の タイミング |
前場の寄り付き、または後場の寄り付き |
注文を出した翌日の寄り付きのみ |
売買できる銘柄 | 東証1部・2部・マザーズ、ジャスダック、名証1部・2部・セントレックス、福証・Q-Board、札証・アンビシャス。 (福証、札証は売却のみ)(株ドットコム証券プチ株の例) |
東証1部・2部・JASDAQ、名証1部・2部の上場銘柄の中から約2300銘柄(SMBC日興証券の例) |
議決権など | 行使できない |
行使できない |
配当金、株式分割 など |
持ち株数に応じて受け取ることができる |
持ち株数に応じて受け取ることができる |
単元株数になった 場合 |
通常の単元株として取引可能 |
通常の単元株として取引可能 |
手数料 | 約定代金2万円まで100円、以降約定代金1万円増加まで毎に67円加算 (ただし、売却約定代金が108円を下回る場合、手数料は無料。)(株ドットコム証券プチ株の例) |
約定代金2,000円未満:約定代金×2.484% 約定代金2,000円以上:1約定あたり756円(SMBC日興証券の例) |
取扱証券会社 |