ページのまとめ
  • 株主は会社の所有者としてさまざまなメリットを持つ
  • 配当金や株主優待が、代表的なメリット
  • 株主総会での議決を通じて、経営に関与することもできる

株主は会社に対して主に3つの権利を持つ

株主は会社の所有者であり、経営者は出資者に雇われているようなものだと書きました。これは単なる“たとえ”ではありません。株主は、出資額に応じた「株主権」を持つことが、きちんと法律で定められています。主な株主権は、以下の3つがあります。

株主の権利(1)会社の経営に参加する権利

1つ目は、会社の経営に参加する、つまり、経営者にいろいろと注文をしたり、要望を出したりする権利です。

株式会社では、最低でも年に1回、株主総会が開かれます。株主総会とは、すべての株主の意見を集約し、決議して、会社の経営方針などを決める場で、会社の最高の意思決定機関です。国でいえば、国会のようなものですね。

この株主総会で、極端に言えば、「今の経営者(社長)を首にして、別の経営者に会社を任せる」といったことを決めることも、可能なのです。

すべての株主は、株主総会での議決権を持ちますが、投票数は持ち株数に比例します。そのため、たくさんの株を持っている大株主の意見が、経営に強く反映されることになります。

株主の権利(2)配当金、株主優待などを受け取る権利

配当金とは、会社が儲けた「利益の分け前」です。配当金などは、持っている株数に応じて受けとることができます。また、会社によっては、配当金とは別にモノやサービスで株主に対して儲けの分け前を提供する場合もあり、これは「株主優待」と呼ばれます。

前の項目で見たように、株式投資とは本来、事業への出資なので、事業での利益の一部を分け前として受けとることは当然のことです。なお、配当金や株主優待については、後で詳しく説明します。

株主の権利(3)会社が解散するときに「残り」をもらえる残余財産分配権

会社は永遠に続くわけではありません。なんらかの事情により、事業をやめて会社を解散するようなことになったら、株主は持ち株数に応じて、会社に残った財産(残余財産)をもらえる権利があります。これを「残余財産分配権」といいます。

しかし、実際に会社が解散するのは破産など事業に失敗しての場合がほとんどです。その場合、債権者や従業員が優先的に資産を受け取る権利があり、株主に残余財産がもらえることはまれでしょう。

多くの株を持っている株主だけの権利もある

なお、株主の権利には、上記の他にも、一定割合、あるいは一定株数以上を持っている株主だけが行使できる権利があります。これを「少数株主権」といいます。

たとえば、株主総会で議決案を提案する権利などは、もし株主ならだれでも提案できるとなると、あまりにも多くの提案が出てきて収集がつかなくなります。そのため、一定以上の割合の株を持っている株主だけが、この提案をできるようになっているのです。