ページのまとめ
  • 以前は紙の株券が発行されていた
  • 2009年に上場企業では紙の株券は廃止され、現在はすべてコンピュータ管理されている
  • だれがどの会社の株主なのかは、証券保管振替機構(ほふり)が記録、管理している

株券が廃止された理由

皆さんは、株の視覚的なイメージとしては、「株券」という紙の券面(チケット)を想像される方が多いでしょう。では、証券会社で株を買うと、いつ株券が郵送されてくるのでしょうか?

以前は、上場企業においては、発行株式数の数だけ、紙に印刷された株券を発行が義務付けられ、実際に株券が印刷されていました。

しかし、紙の株券は、名義書換の手間がかかる、国際的な取引においてコストがかかる、紛失や盗難の恐れがあるといったデメリットが多くあります。

2009年に紙の株券は廃止された

そこで、法律の改正により、株券の発行が不要になり、その後2009年には、紙の株券が全面的に廃止される「株券の電子化」がおこなわれました。そのため現在、上場企業については、原則的に紙の株券は存在しません(昔発行されていた株券をそのまま個人が保有しているといった例外を除き)。もちろん、株券が郵送されてくることもありません。

「そもそも、株ってなに?」では、株は会社の持ち分を表した株を表した「チケット」だと説明しました。しかしこれは、紙のチケットではなく、現在は電子的なチケットなのです。

株主の名義はほふりが管理している

だれが、どの株を持っているのかという情報は、証券会社、および、証券会社間、企業間で株の名義情報を管理している証券保管振替機構(通称「ほふり」)が、コンピュータのデータベースで管理しています。このように、電子的に証券の名義情報を管理することを、株式等振替制度といいます。ほふりは、証券保管振替を行っている日本で唯一の会社であり、半ば公的な機関です。

あなたがA社の株を買うと、その情報は証券会社のデータベースに記録され、同時にほふりのコンピュータ上のA社株主名簿にも、あなたの氏名・住所が記録されます。A社が配当金や株主総会の案内などを送付する場合は、ほふりの株主名簿の情報をもとに行い、あなたの元にそれらが届くという仕組みになっています。もちろん、その後あなたがA社の株を売ってしまえば、株主名簿から削除されます。

これらはコンピュータネットワークを通じて自動的に行われるため、あなたが配当金を受け取ったりするために、何か手続きをする必要はありません。(証券会社に口座を開く際に、3種類ある配当金の受取方法から、どれを利用するか指定しておく必要はあります)。

電子的に証券の名義情報を管理