- 基礎編
- 始める前に株のソボクな疑問を解決!
2014年8月21日
株価は、その会社の値段なの?
- ページのまとめ
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- 株価は1株あたりの値段であり、会社の価値を表すものではない
- 株価と発行済み株式数を掛けた時価総額が、会社全体の価値を表す
- セブン&アイHDの株価はローソンの約半分だが、時価総額は約5倍
会社の値段はどうやってわかる?
セブン&アイが4200円でローソンが7300円だというのは、あくまで株価です。ここで、株価の定義を思い出してください(株価は、だれが決めているの?)。株価とは、ある銘柄のある時点での「1株あたり」の値段(時価)のことでした。
当然ながら、企業はたくさんの株を発行しています。つまり、株価は、株式市場におけるその銘柄(企業)の評価ではありません。ここは非常に大切なポイントです。株価は、あくまで1株の値段(=価値)であり、会社そのもの値段(=価値)ではないのです。
では、会社そのもの値段(時価)とはなにかといえば、一般的には、「株価×発行済みの株式数」だと言われます。これは「時価総額」とも呼ばれます。株価は1株あたりの時価であり、それに総株数を掛けたものが時価総額です。そして、これが株式市場においてその会社が評価された時価=会社の値段=価値、というわけです。
- 株価=一株あたりの時価=一株あたりについて株式市場が決めた価値
- 時価総額=会社全体の時価=会社全体について株式市場が決めた価値
セブン&アイとローソンはそれぞれ、以下の通りの株数を発行しています。
- セブン&アイ:886,441,983株
- ローソン:100,300,000株
数字が大きいので、大まかに丸めると、
- セブン&アイ:約8.9億株
- ローソン:約1.0億株
です。つまり、セブン&アイはローソンの8.9倍もの株を発行しているのです。
なんと、セブンの時価総額=会社の値段は、ローソンの約5倍にもなっているのですね。この評価が果たして妥当なものかどうかは、ここでは検討しませんが、株式市場では「セブンはローソンの5倍の価値がある会社」だと評価されているのです。
セブン&アイはローソンの5倍の価値
それぞれの時価総額は、以下のようになります。
- セブン&アイ:4200円×約8.9億株=約3兆7380億円
- ローソン:7300円×約1.0億株=約7300億円
なんと、セブンの時価総額=会社の値段は、ローソンの約5倍にもなっているのですね。この評価が果たして妥当なものかどうかは、ここでは検討しませんが、株式市場では「セブンはローソンの5倍の価値がある会社」だと評価されているのです。
「一株あたりの株価」と「会社全体の価値」は別のもの
いま、説明の便宜上、最初から「株価」というものがあって、発行済み株式数があって、そこから会社の時価がわかる、という順序で説明しました。しかし、よく考えてみると、これは変な話です。株価が(つまり需給が)なにを根拠に決められるのかがわかりません。
前の項目の最後で出した疑問、「では、それぞれの売買をした人たちは、なぜその株価が妥当だと思うのでしょうか?」の答えが、出されていないことがわかります。
実際には、この考え方は逆なのです。正しい考え方の順序としては、まず会社の時価(価値)があり(投資家がそれを想像し)、それを発行済み株式数で割ったものが、株価として表現されるという方が、実態に近いでしょう。あくまで先立つのは会社全体の価値です。
ここで説明した「一株あたり」と「会社全体」という考え方、見方は、この後も何回も出てきます。非常に大切な考え方なので、ここでよく覚えておいてください。