- 基礎編
- 始める前に株のソボクな疑問を解決!
2014年8月21日
株で「積み立て投資」はできないの?
- ページのまとめ
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- 投資の元手を作るには、自動積立の利用がおすすめ
- 自動積立では、手間がかからず、確実にお金が貯まる
- 価格が動く商品は、同じ金額を毎月積み立てていくと、安く買える可能性がある
自動積立でタネ銭を作ろう
よく、お金を貯めるための基本として「自動積立」がすすめられます。月末などに、預金口座から一定金額が引き落とされたり、あるいは給与から天引きされたりするなどの方法で、一定額ずつを自動的に貯めていく方法です。
お金が残った時を貯金しようと思っても、つい使ってしまい、なかなか実行できません。そこで、自分の意志に関わらず、いわば強制的に貯めていく自動積立の方法は、お金を貯めるためにはとてもよい方法です。
本サイトでも、株式投資を本格的に始めるための元手、いわゆる“タネ銭”を作るための方法としては、自動積立を推奨します。
しかし、普通の預金では、元金は確実に貯まりますが、利息はほとんどゼロに近い額です。そこで、どうせなら、積立自体も株式投資で行いたいというニーズに対応する投資商品も、作られています。
積み立てで株式投資をする方法
「株式累積投資」、通称「るいとう」と呼ばれる商品は、毎月一定の金額で特定の株(複数の銘柄でも可)を自動的に購入していくという、株版の「積立預金」のようなサービスです。購入は、1万円以上1000円単位で自由に設定できます。積み立ては、株数単位ではなく、金額単位で設定されるため、ほとんどの場合、単元株数未満の、半端な株数を買っていくことになります。
たとえば、株価が500円で、100株単元の株を毎月1万円ずつ買うとしたら、20株ずつ買うことになります。実際には、株価は毎月動いていますから、購入できる株数は毎月異なります。
そして、そのこの単元未満での購入株数が、まとまって単元株数になれば、単元株となり、通常の株主の権利を行使することができるようになります。
たとえば、20株ずつを5か月積み立てれば100株になりますが、100株になった時点で単元株になる、ということです。
一方、売却は、いつでも好きな時に申し込むことができます。
配当金も、保有株数に応じて受け取ることができ、自動的に再投資されるので、いわゆる複利運用の効果が得られます。
るいとうで注意すべき点は、買い付け時には売買手数料がかかること、口座管理料がかかる証券会社が多いという点と、ネット専業証券では取り扱っている証券会社が無いという点です。野村證券、大和証券、SMBC日興証券など、店舗証券であれば、取り扱いをしています。
- 【るいとうのメリット】
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- 毎月積み立てができる
- 購入価格は、1万円以上1000円単位で自由に設定可能
- 【るいとうのデメリット】
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- 口座管理料がかかる
- 店舗証券でしか扱っていない
るいとうよりも便利、証券会社オリジナル定額積立サービス
また、るいとうに似た積み立て式の株式投資としては、SMBC日興証券の「キンカブ」や、カブドットコム証券の「ワンコイン積立」という、単元未満株を利用した定額積立サービスがあります。口座管理料がかからず、売買手数料も従来の「るいとう」より低額となっています。
カブドットコム証券のワンコイン積立は、その名のとおり、月500円以上1円単位で積立額が設定できます。また選べる銘柄もるいとうより多くなっている点もおすすめです。
- 【証券会社が各社提供する定額積立サービスのメリット】
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- 毎月積み立てができる
- 500円からはじめられる(ワンコイン積み立て)
- 選べる銘柄がるいとうよりも多い
- 【証券会社が各社提供する定額積立サービスのデメリット】
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- 単元株を買うより、少し手数料が高くなる
るいとうは、ネット証券が生まれる前にできた制度なので、より新しい「キンカブ」や「ワンコイン積み立て」と比べると、使い勝手が悪く感じます。ネット証券で取引をする人なら、るいとうではなく、「キンカブ」や「ワンコイン積み立て」を利用した方がいいでしょう。
ドルコスト平均法で有利に積み立て
ところで、定量(一定の株数)ではなく定額(一定の金額)で、定期的に株を積立購入する方法は、ドルコスト平均法といい、株のように値動きの激しい商品を買っていくには、とても有利な方法です。なぜなら、株価は常に動いていますが、定額購入であれば、株価が安い時ほどたくさん買い、高い時には少なく買うことになるからです。結果的に1株あたりの平均購入金額を下げることができます。
もちろん安い時にまとめて買えば、その方が平均値は低くなります。しかしそれは実際には難しいことです。失敗することも多いでしょう。自動積立のよいところは、まったく手間がかからずに有利な平均値で購入できるということなのです。
そのため、「売買タイミングを計って売り買いするのは難しそう」だとか、「性格的に手間のかかることはできない。とにかく手間のかからない方法がいい」あるいは「今は、まとまったお金を用意できない」、といった方には、まずこういった積み立てで株に投資することは、おすすめできます。(手数料の低い投資信託の積み立てでも良いと思います)。
積み立ては、最低10年は続けるつもりで
ただし、株式相場は、場合によっては何年も下落を続けることもあります。しがたがって、積立投資はかなり長期間続けることが絶対の前提です。目安としては、最低でも「10年間」は続けることを前提にして、スタートしてください。逆に言うと、「3年後とか5年後に、必要となることが決まっているお金を貯める」といった目的のためには、向いていません。
この程度の長期間の投資ができるのであれば、積立投資は非常におすすめです。