ページのまとめ
  • 単発の売買を数回繰り返したら、分割売買にトライする
  • 株価は予測できないので、一度にまとめて買うリスクを防ぐ
  • 分割することにより、買値の平均値を下げることができる

売買に慣れてきたら、分割売買にもトライする

「1単位の株(100株など)を、売って買う」という売買は、いわば「単発」の売買です。もっともシンプルな方法なので、最初はこの方法で売買を経験します。

単発売買を2,3回経験したら、次は、より高度な「分割売買」に挑戦してみましょう。分割売買とは、同じ銘柄を2回以上の回数に分けて売買することです。たとえば、200株を買うなら、100株ずつ、2回買います。「分割買い」です。

なぜこのようなことをするかといえば、株価の行方は予想が難しく、とくに、短期的な動きは予想が非常に困難という前提があります。

そのため、株を買う時は「そろそろ上がるだろう」、「しばらく上がり続けるだろう」といった予想で買います。「しばらく下がり続けるだろう」と思う時には買いません。しかし、実際には、買った後で株価が下がることもあります。

買った後で株価が下がった場合、単発売買なら、損切りをするか、保有するか、2つの対応しかとれません。しかし、分割買いができれば、もう1回買って、買値の平均値を下げて、有利なポジションを作ることが可能になります。

分割売買の例

例で見てみましょう。次の図は、セブン&アイの株価の動きです。

分割売買の例 セブン&アイHD

・第1段階(4月):購入を検討したが、見送り
4月の上旬から下げていた株価が、4月14日の3739円を底値にして反転し、上昇トレンドになったように見えました。そこで買うことを検討していましたが、4月後半はほとんど連日株価が上がっていき、買うタイミングがつかめませんでした。

・第2段階(5月1日~5月11日) 購入のタイミングを計る
5月に入って、少し株価が下げています。上昇トレンドの中で、一時的に株価が下がることを「押し目」といいます。押し目は、絶好の買いのタイミングなので、注意深くタイミングを探ります。

・第3段階:5月13日、買い注文
5月12日の終値3994円を見て、「押し目の下げが止まった」と感じたので、翌5月13日の寄り付きで買い注文を出します。
・5月13日:4050円(寄り付き)で100株購入
このときは、「大体10%の上昇で、4500円になったら売ろう」という風に決めます。

・第4段階(5月14日~5月21日):5月21日、追加で購入
その後、株価は少し上がりますが、再び下げはじめ、16日には3900円を下回りました。こうなると、損切をした方がいいのかどうか、注意深く株価を見る必要があります。しかし、翌19日には3900円台を回復し、20日も連続で上がりました。 20日の終値を見て、「短期的な底を打った」と判断し、追加で100株を買うことを決めます。注文は21日朝出して、寄り付き3938円で約定しました。
・5月21日:3938円(寄り付き)で100株購入
・合計:200株購入、平均購入株価((4050+3938)÷2)=3994円

買値の平均値が下がるので利益が増える

仮に、最初に買った4050円のときに、まとめて200株買っていたら、200株の買値は4050円です。しかし、分割をしたことにより、200株の平均買値が3994円と、買値を下げることができました。両者を、購入金額で比べてみると、次のような差になります。

  • まとめ買い:4050円×200株=81万円
  • 分割買い:3994円×200株=79万8800円

この後、目標通り4500円で売れたとすると、それぞれ、利益は以下のようになります。

  • 売却金額:4500円×200株=90万円
  • まとめ買い:90万円-81万円=9万円の利益
  • 分割買い:90万円-79万8800円=10万1200円の利益

分割買いをしたことで、「1万1200円」得をしたということになります(ただし、売買手数料が1回分余計にかかります)