- 実践編
- チャートでタイミングをはかる
2014年9月4日
感情を排して機械的に売買するシステムトレード
- ページのまとめ
-
- テクニカル指標だけに従って、機械的に売買するのがシステムトレード
- どのようなトレードルールを採用するのかが、投資家の腕の見せ所
- 専用のツール以外に、システムトレードのシミュレーションができる証券会社もある
根拠のない相場観や感情を排除できるのがシステムトレード
個人投資家は自らの感情に左右されやすいため、以下のような失敗に陥りがちです。
- 上昇トレンド入りしたサインが出ていても、過去の安い株価を覚えているために買えない
- 天井圏に入ってから我慢できずに買ってしまう
- 高くて手が出なかった銘柄が安くなっていると、値ごろ感から下落の初動段階で買ってしまう
- 損失を出した苦い経験から、まだ上昇余地があるのにわずかな利益で利益確定してしまう
自分自身の相場観や感情を排してテクニカル分析に基づいた機械的な取引を行えば、それで必ず成功するわけではありませんが、こうした失敗は防げることになります。個人の裁量ではなく、特定の指標が特定のシグナルを出した際に売買するといった明確なルールを決めて取引することをシステムトレードといいます。
たとえば、5日移動平均線と25日移動平均線でゴールデンクロスが出現したら買う、というルールを設定したら、現実にそのシグナルが出たら機械的に淡々と売買していくわけです。
専用のシステムトレードツールが便利
システムトレードにチャレンジする場合は、多くは有料になりますがシステムトレード専用のツールやソフトを使うと便利です。
テクニカル指標は非常に多くあり、移動平均線ひとつにしても、期間をどう設定するかでシグナルは変わってきます。銘柄によっては、ある指標は有効に機能しても、別の指標はまったく役に立たないということもあります。過去のチャートを見てその銘柄と相性の良い、つまり的中率の高い指標や組み合わせを発見し、ルール化できれば成功率は上がると期待できます。
実際にシステムトレードをおこなう場合は、そのルールが、長期間にわたって本当に利益を出せるルールかどうかも検証する必要があります。具体的には、そのルールを過去の相場に当てはめて、勝率や売買回数、失敗した際の損失額などをチェックし、勝てるシグナルかどうかを確認するのです。これをバックテストといいます。将来も同じように利益を出せるわけではありませんが、最低5年分くらいは検証しておきたいところです。
こうした作業も、システムトレード専用のツールやソフトを使うと簡単にできます。
株式投資に使えるシステムトレードのツールは、以下のような商品が販売されています。いずれも一部の機能は無料で使えるので、興味のある人は試してみるとよいでしょう。
商品価格 | |
---|---|
株システムトレードソフト イザナミ |
・無期限ライセンス 価格 : 162,000円(税込) ・月額ライセンス 月額 : 7,700円(税込) ・有効期限7日間のトライアル版あり ※一部機能制限 →公式サイトはこちら |
システムトレード検証ソフト シストレの達人 |
189,000円(税込) →公式サイトはこちら フリー版あり →フリー版の詳細はこちら |
野村證券の無料ツールでシステムトレード機能がある
これらの有料ツールは非常に高機能ではありますが、一括購入すると10万円以上かかる高価なものなので、個人投資家にはハードルが高いかもしれません。
数は少ないものの、証券会社が提供している取引ツールで、簡易的なシステムトレードの機能を搭載しているものもあります。野村證券の「詳細リアルチャート」では、バックテストの機能があり、売買の条件にテクニカル指標を設定すると、過去のチャートから自動的に損益計算をしてくれます。
また、「売買シグナル」というツールもあり、過去に出現した売買シグナルで、最も利益を上げることができたテクニカル指標を抽出することもできます。2つのツールを組み合わせて、チャートに売買シグナルを表示することも可能です。
テクニカル指標には銘柄や相場環境によって有効性が大きく異なります。投資家との相性もあるので、まずはこうしたツールで試してみるのもおすすめです。野村證券に口座をもっていれば無料で利用できます。