- 基礎編
- 証券会社を使いこなそう
2014年8月21日
中級者には便利な投資ツール
- ページのまとめ
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- パソコンで使う、株取引の専用ソフトウェアがトレーディングツール
- トレーディングツールは、プロが使うツール顔負けの高度な機能を備えている
- 利用は原則有料だが、取引額などの条件で無料になる場合もある
プロに匹敵する取引ができるトレーディングツール
投資初心者であれば、証券会社のサイトやスマホアプリで十分な取引が可能です。しかし、より詳細な銘柄分析をしたい人や、スピード重視のトレードをこなす中・上級者の中には、少し物足りなくなってくる人もいるでしょう。
こうした投資家のために、ネット証券の多くは高機能のトレーディングツールを提供しています。
マネー誌や経済番組などで、カリスマ投資家やデイトレーダーが登場するのを見たことがある人もいるでしょう。彼らがトレードしている部屋にはいくつものモニター画面が並んでいて、株価チャートやさまざまなマーケット情報が映し出されています。こうした画面に表示されているのがトレーディングツールで、これを使うことでプロに匹敵する取引が可能になります。
一般的なのは、パソコンに専用ソフトをインストールして使うタイプですが、中にはブラウザ上で動くものもあります。ソフトに比べると機能は劣りますが、パソコンへの負荷が軽く手軽に使える点を評価する投資家もいます。
デイトレーダーにも、長期投資家にも便利な機能を搭載
こうしたトレーディングツールは、マーケット情報やニュース、銘柄スクリーニングといった機能を搭載しているのはもちろん、株価の動きがリアルタイムで更新され、証券取引所のすべての注文を表示する「フル板」情報などを表示できるものもあります。
他の市場参加者の注文状況をにらみながら、希望の株価になったタイミングで瞬時に注文し、執行できる点が最大の特徴です。特に1秒を争う取引をするデイトレーダーはスピードが命、刻々と変わる株価を見ながら瞬時に発注する機能は生命線ともいえます。
中長期的な取引をする投資家にも、トレーディングツールは有効です。株価チャートに詳細なテクニカル指標を表示させたり、自分でラインを引いたりもできるので、投資に適した銘柄やタイミングをより綿密に分析することができます。
原則有料だが、無料で利用できることも
トレーディングツールは証券会社が顧客サービスの一環として提供しており、各社は独自機能を搭載して、高機能化にしのぎを削っています。中でも楽天証券の「マーケットスピード」は「マケスピ」の愛称で親しまれ、約30万人もの利用者がいるとされています。多機能で直観的な操作が可能な上、日本経済新聞のデータベースサービス「日経テレコン21」が利用できる点も人気の理由です。
SBI証券の「HYPER SBI」も使い勝手と機能のバランスにすぐれ、多くの支持を集めています。
これらのトレーディングツールの多くは有料ですが、取引回数や預かり資産の金額など証券会社が定める基準を満たすと無料で使える場合もあります。証券会社によっては機能を限定した無料版と、フル機能を搭載する有料版に分けている場合もあります。
たとえば、楽天証券のマーケットスピードは原則3か月ごとに2700円の利用料がかかりますが、最初の3か月間はだれでも無料で使えるうえ、その後も以下の要件をひとつでも満たせば引き続き無料となります。(2014年8月現在)
- <楽天証券のマーケットスピードが無料になる条件 ※一部>
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- 預かり資産が30万円以上
- 信用取引や先物オプション、FXなどの口座を開設している(開設自体は無料)
- 過去3か月に国内株式、先物・オプション取引、米国・中国株式、カバードワラントの取引実績があること