- 基礎編
- 証券会社を使いこなそう
2014年8月21日
証券会社で読める『会社四季報』
- ページのまとめ
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- ほとんど証券会社で、『会社四季報』を無料で読めるサービスを提供している
- ただし、読めるのは企業情報ページだけで特集記事などは通常読めない
- 会社四季報は、もっとも基本的な投資情報
1冊2060円の『会社四季報』が無料で読める
長年、投資家のバイブルとして親しまれている書籍があります。東洋経済新報社が発行する『会社四季報』です。3月、6月、9月、12月の年に4回発行され、すべての上場企業の基本情報や財務データ、株主構成などが掲載されています。
多くのネット証券では、口座を開設している人なら無料で会社四季報の情報が閲覧できるようになっています。会社四季報は1冊2060円で、最新号をすべて購入すると年間で8000円を超える金額が必要になりますが、ネット証券に口座を持っていればタダで情報をチェックできます。
しかも、最新号が発売されると証券会社で閲覧できるデータも更新されるので、常に最新の情報を参照できます。会社四季報を利用するだけでも口座を開設するメリットは大きいといえます。
ただし、証券会社のサイトで閲覧できるのは各銘柄に関するデータだけで、マーケット全体に関する特集記事は読むことができません。
この特集記事は、増益・増収企業ランキングなど、投資に役立つものが多いので、できれば読んでおきたいところ。そのため、ネット証券で会社情報の記事は読める方でも、できれば紙の本かCD-ROMを購入することをおすすめします。
全銘柄の独自の業績予想を掲載
会社四季報の情報の中で最も注目したいのは、業績予想です。各社公式の発表ではなく、担当記者が丹念に取材し、分析した独自の業績見通しが二期分、全銘柄に掲載されています。さらに、その企業が置かれている環境、どんな追い風や逆風を受けているか、どの分野が好調でどの分野が足を引っ張っているか、どんな課題があるかといった分析が、キーワードとともにコンパクトにまとめられています。
株価は過去や現在の業績よりも、将来への「期待」で動いています。ですから、株式投資をするなら業績予想は必ずチェックしておきたい情報です。
大型株や有名企業、人気銘柄であれば、証券会社のアナリストなどが業績予想を発表していますが、かれらがカバーしているのは上場企業のほんの一部にすぎません。また、上場企業は決算発表時に業績予想も同時にリリースしますが、企業によっては控えめ過ぎたり、逆に強気だったりと、癖があるもの。これに対し、会社四季報では第三者視点での客観的な業績予想が全銘柄で見られるとあって、多くの投資家が注目しているのです。
株式市場は「人気投票」のような性質があるので、自分以外の参加者がどう考えているかを知ることはとても重要です。会社四季報は多くの人が見ている情報なので、人に先んじるのは難しくても、みんなが注目する方向性を共有したり出遅れを防いだりすることができます。
気になる銘柄の基本情報が一目でわかる
書籍であれば、パラパラとページをめくりながら宝探しのように成長期待銘柄を発掘していくのも楽しい作業です。ネット証券で閲覧できる会社四季報でも同様の使い方ができないわけではありませんが、インターネットの性質上、気になる銘柄の情報をピンポイントで探しに行くのが便利です。
たとえば、新聞や雑誌、あるいはランキング情報などで気になる銘柄を見つけたら、ネット証券の四季報情報を見ることでその場で銘柄の概要を知ることができます。どういったビジネスをしている企業か、直近の業績はどう推移しているか、本社がどこにあってどのぐらいの規模なのか、といった情報が一目でわかるのです。
こうした情報を確認するだけでも、短期で飛び乗るだけにしておくべき銘柄か、中長期での投資を検討していい銘柄かという判断もある程度可能になるのです。
インターネットには公式サイトから真偽不明の口コミまで、さまざまな投資情報があふれていますが、会社四季報は投資家に必要な情報が最もコンパクトにまとめられた媒体です。株式投資をする人は、「日本経済新聞」と並んで、必ず読んでおかなかければならない必須の資料です。