ページのまとめ
  • 株を注文する際の、価格の指定方法は、大きく分けて3種類ある
  • 指値<さしね>注文は、価格を指定して注文する方法
  • 指値注文では、価格を優先するために、買えないこともある

価格の指定には種類がある

株式を注文するには「銘柄名」「数量」「価格」などの他に、「買いか、売りか」を証券会社に伝えます。

このとき、価格の指定の方法には大きく分けて下記の3つの種類があります。

  • (1)指値<さしね>注文
  • (2)成行<なりゆき>注文
  • (3)逆指値<ぎゃくさしね>注文などの特殊な注文

(1)指値<さしね>注文
指値注文は、自分の指定した株価で売買したいときに利用します。「少しでも安く買いたい」「少しでも高く買いたい」という風に、少しでも有利な価格で売買したいときには、指値注文を利用しましょう。
指値注文では、たとえば、
「ソフトバンクを7480円で買い」
というように、具体的な金額を指定して注文を出します。金額を指定することを「指値」といい、指値による注文だから「指値注文」といいます。

(2)成行<なりゆき>注文
成行注文は、「多少の値段の差は気にしない。その代わり、すぐに買いたい」というときに利用します。
「ソフトバンクをいくらでもいいから売り」
といった、金額をあえて指定しないで注文を出します。

(3)逆指値<ぎゃくさしね>注文
指値注文とは逆に、今の株価よりも不利な株価、つまり、「いまより安い価格で売る、今より高い価格で買う」というのが逆指値注文です。これは主に、損切や利益確定などの「安全確保」のために使う注文方法です。
「ソフトバンクが現在の価格よりも100円安い、7380円になったら売り」
といった、特殊な注文の方法になります。

指値<さしね>注文には指値買い注文と、指値売り注文がある

「指値注文」には、「買い」の注文と「売り」の注文があります。

  • 指値買い注文の例:「ソフトバンクの株を7600円で買い」
  • 指値売り注文の例:「ソフトバンクの株を7600円で売り」

成行<なりゆき>注文のような、「いくらでもよいので買い」といった注文方法と比べて、指値注文はいくら以下でこの株が手に入るのか(売り注文のときはいくら以上で売れるのか)、事前に明確になるのが特徴です。

<指値注文と成行注文の比較>
  指値注文 成行注文
金額の指定 売買金額を指定して注文を出す 売買金額を指定しない
向き不向き 一円でも安く買いたい人 急いで売買を成立させたい人
売買金額
売買金額(いくら以下で買えるか、
いくら以上で売れるか)が明確

売買金額がいくらになるか
わからない
買えるまで
の時間

買える(売れる)までに比較的時間が
かかることがある

比較的早く買える
その他
場合によっては買えないときがある

比較的確実に買える

指値<さしね>注文の使用例

指値売り注文の例を挙げると次のようになります。
ソフトバンクの株を6700円で買いました。株価が1000円上昇して、7700円になったら売ろうと思いました。

そのとき、7700円に売り指し値をして、売り注文を出します。このように、売値(株を売るときの値段)を指定して売り注文を出すのが指値売り注文です。

7700円で指値売り注文を出したときは、指値よりも高い価格7701円で売れる(投資家にとって有利になる)ことはあっても、7699円といった、指値よりも低い価格で売る(投資家にとって不利になる)ことはありません。

買い注文も同様です。現在、ソフトバンクの株価が7600円だったとします。ただし、現値(いまの株価)の7600円は高いので買いたくない。7430円より安ければ買いたい。そのような場合、7430円に買い指値をします。

指値注文では買えない(売れない)ことがある

ただし、指値注文のデメリットは欲しい株が指値した価格ですぐに買える(売れる)とは限らない点にあります。たとえば、現値が7600円のときに、7200円で買い指し値注文を出した場合、株価が7200円まで下がらないと、買うことはできません。

7200円で買い指し値注文を出した場合、
株価が7200円まで下がらないと、買うことはできないのが指値注文

売り手が「7600円ならば売ってもよいが、7200円は安いので売りたくない」という人ばかりだったときは、売買は成立しません。早く買いたい(売りたい)、確実に買いたい(売りたい)というときは成行注文がおすすめです。

チャンスを逃さないように注意

指値注文では、1円、2円にこだわるあまり、売買チャンスを逃すことがあるので注意が必要です。株価の急騰、急落といったチャンスの波に乗るには、指値注文よりも成行注文のほうが適していることがあります。

指値注文で買えなかった例

上の図で現値が6683円の段階で、6682円で指値買い注文を出したとします。ところが、その後、株価が上がり7000円、さらに株価は7200円、7500円と騰がっていき、結局、指値6682円では買えませんでした。6683円のとき、成行注文で買っていたら、その後の株価上昇の波に乗れたことになります。

成行注文を出すと、そのときは指値注文よりも高い価格で買うことになる可能性がありますが、その後の株価上昇のチャンスを得ることにもなります。売買しようとしている株が急騰、急落がよく起こる銘柄かどうか、事前にチェックしてから、指値にするか、成行注文にするか、決めることが大切です。