ページのまとめ
  • 配当金の受け取りには、3種類の方法がある
  • 受取方法によって、配当金への課税が変わってくることがある
  • おすすめの方法は、株式数比例配分方式

おすすめは、株式数比例配分方式

配当金の受取方法にも種類があり、選ぶことができます。配当金の金額自体は、どの方法でも同じですが、課税の関係が変わってきます。

配当金の受取方法
  • 株式数比例配分方式 ← おすすめ 特にNISA口座の人は必ずこれ
  • 登録配当金受領口座方式
  • 配当金受領証方式

このうちおすすめなのは、「株式数比例配分方式」です。特に、NISA口座を利用する人は、この方法以外では、配当金から税金が源泉徴収されますので、絶対にこの方法を選びましょう。

なお、口座の種類とちがって、配当金の受取方法は、口座開設時に選択するものではありません。口座開設時には、証券会社が設定する一定の方式(配当金受領証方式か、株式数比例配分方式のどちらか)になっていますので、口座開設後に、口座にログインしてどの方法になっているかを確認したうえで、必要に応じて変更設定をします。

3種類の口座の特徴は、下記のようになります。

<配当金受取方法の種類と特徴>
  株式数比例配分方式 登録配当金受領口座方式 配当金受領証方式
初心者
おすすめ度

NISAの場合は特におすすめ
内容 自分の証券口座に配当金を入金してもらう方式。NISA口座を利用する人は、必ずこれを選ぶ 自分の銀行口座を指定し、銀行口座に振り込んでもらう方式 従来からある方式。「配当金受領証」という書類を郵送してもらい、それを、自分で金融機関に持ち込んでお金に換えてもらう
メリット
  • NISA口座で非課税になる
  • 株などで売却損が出た場合に、配当金と損益を通算して、配当金の課税を軽くできる「損益通算」を自動的に行ってくれる(源泉徴収ありの特定口座の場合のみ)
複数の証券会社に口座があるような人でも、一度の登録手続きですべて同じ銀行口座に振り込んでもらえる とくになし
デメリット とくになし NISA口座でも、配当金が非課税にならない
  • 配当金受領証を紛失したりして、換金できない可能性がある
  • NISA口座でも、配当金が非課税にならない

特定口座(源泉徴収あり)とのセットでますます便利!

株式数比例配分方式では、特定口座(源泉徴収あり)の場合のみ、株の売買で発生した損失と、配当金の利益をあわせて税金の計算をすることができます。

ちなみに、この「あわせて税金の計算をする」しくみを、専門用語で「損益通算」といいます。税金の話ではよく出てくる言葉なので、覚えておいて損はないでしょう。

たとえば、ある年の1年間の株式投資の結果損失が10万円、また、受け取った配当金が10万円だとします。すると、損益通算をするのとしないのとでは、下表のような違いが出ます。

こんなに大きな差が出るのですから、利用しないのはもったいないですね!

<損益計算の例>
  損益通算をする場合 損益通算をしない場合
  株の売買損失 配当金 株の売買損失 配当金
損益金額 10万円 10万円 10万円 10万円
課税の対象
となる金額
(配当金から株の損失を差し引ける)
10万円ー10万円=0

ここで損と利益を合計して計算
=通算できる

0円 10万円
課税額 0円 0円 2万315円
合計の
課税額
0円
通算できたことによって、
配当金の課税が0に!
2万315円

変更時は要注意

登録配当金受領口座方式、株式数比例配分方式については、複数の証券口座を持っている場合、どこかひとつの証券会社で手続きをするとそれがすべてに反映します。便利といえば便利ですが、NISAを使っている場合は、注意が必要です。

なぜなら、NISA口座で、株式数比例配分方式を選んでいたとしても、その後、NISA以外の口座で、登録配当金受領口座方式を選ぶと、自動的にNISA口座も登録配当金受領口座方式になってしまうからです。この点は特に注意してください。