ページのまとめ
  • 個別株で市場全体の波に乗りたいなら、ベータ値が1に近いものを選ぶ
  • ベータ値は、証券会社のスクリーニング機能で調べることができる
  • ベータ値は過去の実績なので、将来も同じとは限らない

ETFではなくて、個別株を買いたいならベータ値を確認

「市場全体の流れに乗る投資をしたいが、買うのはETFではなくて個別株がいい」という場合は、市場全体の値動きとの相関性(連動性)が高い銘柄を選べばいいのです。

2つの銘柄(この場合、ひとつは市場全体ですが)の間の、値動きの相関性を表すための指標に「ベータ値」があります。この指標を参考にして銘柄選びをします。

ベータ値とは、2つの銘柄の相関の強さを表すものです。下のような数字が基本となります。

  • 2つの銘柄がまったく同じ動き:ベータ値=1
  • 2つの銘柄の動きが、まったく無関係:ベータ値=0
  • 2つの銘柄の動きが、正反対:ベータ値:-1
  • A銘柄:1%上がる=ベータ値1
  • B銘柄:2%上がる=ベータ値2
  • C銘柄:0.5%上がる=ベータ値0.5
  • D銘柄:1%下がる=ベータ値-1

このようにして、一定期間の毎日の両者の値動きを比べて、ベータ値は算出されます。

ベータ値の例

たとえば、市場全体が1%上がった時の値動きの例です。

ベータ値はあくまで過去の数字

ベータ値が1に近い銘柄を選んで売買すれば、ETFではなくて個別株でも、市場全体の流れに乗った売買をすることができます。

ただし、注意すべき点があります。それは、ベータ値は過去のデータにすぎないということです。株では、値動きの性格が変わることはよくあるので、過去にベータ値が1近かったとしても、将来もそのままであることが保証されているわけではありません。

そのような変化の可能性を考えると、個別銘柄で市場全体と連動させるには、1銘柄だけでは不安が残ります。最低でも3銘柄、できれば5、6銘柄程度の、ベータ値が高い銘柄を同時に保有することが必要でしょう。そして、それらの複数銘柄を必ず同時に売買していきます。

一方、トピックス型ETFなどは、市場全体に連動するように設計され、適宜調整されます。つまりベータ値が限りなく1に近づくように設計、調整された商品ということです。そのため、あまり難しいことを考えずに、「市場全体」を買いたいなら、市場連動型ETFの方が向いています。

なお、ベータ値はネット証券のスクリーニング機能でスクリーニングすることができます(SBI証券の場合)。

SBI証券 ベータ値でのスクリーニング